学校トランプ
じっとりとした梅雨の季節、6月。

そこにはいつものように遊びに誘われる修平がいた。

修平は家庭もそこそこ裕福で、いつもクラスの中心人物だった。

修平のことを好きだった女子はたくさんいたけど、修平には気になっている子が1人いた。


『いいよ』


気になってる子は、いつも元気で優しかった。

遠くから見てるだけの毎日でも、修平はその子の笑顔を見れるだけで嬉しかった。


『そっちボール行ったぜ!!』


校庭でサッカーをする修平。

そんな変わりのない毎日も、一変する――


『七道くん!!』


『どうしたの~?先生』


突然担任の先生が息を荒くして走ってきた。


『落ち着いて聞いてね…七道くんのお父さんとお母さんが――』


修平は急いで近くの大きい病院へ向かった。


“信号無視したトラックが2人の乗った車に…”


突然の交通事故だった。

居眠りしていたトラックの運転手が信号無視。

そして両親の乗った車に前方からぶつかった――

シュ――ッ

酸素マスクをしている両親。

頭には包帯。

血が巡っていない真っ青な唇。


『お父さんとお母さんは――!?』


医師のもとへとすがる修平。


『最善を尽くしましたが――』


医師の言葉に、修平は絶望した。


“御臨終です――”


6月25日午前11時37分。

修平の両親は他界した――
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