学校トランプ
琴葉とあおいの顔は青ざめる。


「七道ね、病院に連れて行かれたんだけど…」


あおいは悲しそうな表情を浮かべる。


「死体が――消えたの」


琴葉の重い言葉に誰もが耳を疑った。

死体が…消えた?


「嘘でしょ?そんなこと、無理に…」


「嘘じゃないの!!みんなが知らないのはね、理由があるの…」


あおいはゆっくり言う。


「理事長の息子だったの、七道…だからね、公にしたくなかったらしくて…みんなに口止めしたの」


理事長の息子が…七道修平?


「『言ったら俺はお前等を殺しかねない』って…みんな七道の自殺したとこ見たから、頷くしかなくて――」


琴葉は震えてる。


「その発言で理事長が辞めるまでいったんだけど…」


「理事長の代わりの人が、次々に消えていったの」


「消えた?」


「うん…七道と同じように、いつの間にか…」


「だから、理事長に辞めてもらうわけにはいかなくなったの」


“言ったら俺はお前等を殺しかねない”


そこまで言う?

理事長の代わりが次々に…消えた。

修平と同じように、いつの間にか――

少しずつ…このゲームの目的が見えてきたのかもしれない。

夏帆は俯いた。

でも、どうして――?

あの4人と修平の関係は?

悩んでも悩んでも、謎は深まるばかりだった。

残り時間17時間――

夏帆は生き残れるのか…それとも――
< 57 / 79 >

この作品をシェア

pagetop