学校トランプ
「あと2人は?」


「放送を流してるのがひとり。あとは…」


分かんない…あとひとりは何をしているんだろう?


「犯人は放送室とどっかにいるってこと…」


「でも…みすみす犯人がすぐ分かる場所にいる?」


秀才の琴葉が龍の言葉を遮った。


「確かに…」


「七道と4人の関係も分かんないよね」


あおいも頭を抱えて言った。

夏帆たちが5分程考えても何も解決しなかった。


「真央ってさ…誰に殺されたのかな?」


「あのとき逆光で分かんなかったよね」


「でもたぶんあれは男子。格好とか背とか」


「『お姉ちゃん』って言ってたよね?」


「真央のお姉ちゃんって日本最高の大学にいるんだよね?」


「梨央先輩だよね…あった!!」


「優梨何してるの?」


「梨央先輩の携帯番号★」


優梨は吹奏楽部の部長だった。

吹奏楽部に入ったのは中学校にして、多数の高校と同じコンクールに出て…優勝まで引っ張った28代部長山内梨央を尊敬したから。

優梨は吹奏楽部に入ってすぐに、梨央の高校を調べて携帯番号を聞きに行ったほどの尊敬っぷりは誰もが知っている。


「繋がって…」


優梨の声に夏帆たちも祈った。

外部との連絡は絶ったとしても、きっとどこかなら繋がるはず…


「ここじゃ駄目…」


優梨は辺りをうろうろし始めた。


「繋がった!!」
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