学校トランプ
階段の踊場の隅にまで来たところで、携帯を片手に夏帆たちに叫んだ。


「本当!?」


夏帆たちは優梨のところまで駆け寄った。


「…もしもし!?梨央先輩ですか!?優梨です…はい」


優梨は嬉しそうに話していたが、真央のことを話すべきか迷っていた。

ピッ

優梨はスピーカーホンにして、夏帆たちに聞こえるようにしてくれた。


『“ゲーム”のこと?』


「梨央先輩知ってるんですか!?」


『真央から聞いたわ…真央…真央は!?』


「…真央は、頑張ったんですけど…その」


「山内は、懸命に戦いました」


龍の一言で梨央は全てを知った。


『…真央、頑張ったのね…』


「「真央を守れなくてごめんなさい!!」」


夏帆たちは謝った。


『…真央は幸せね、こんな仲間がいて。でも、優梨ちゃんたちは自分を責めないでね。真央もそれはきっと望んでないわ』


「梨央先輩…」


優梨は泣き始めた。

たぶん梨央も携帯の向こうで泣いているだろう。

たったひとりの妹を失ったのだから。


『…私の知り合いに頼んで桜中のこと、調べさせてもらったわ』


「あたしたちも分かったことがあります」


まず夏帆たちから知っている全てを話した。


『そう…』


「梨央先輩は何が分かったんですか?」


『その七道修平が絡んでるのは間違いないみたい』


「「どうしてですか!?」」
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