一線  死神は舞う
メイド姿の、

30前後の女が顔を出す。


低い位置でまとめられた黒髪に、

頬にはそばかす。


細い体に、

自信のなさそうな前屈みの姿勢。




人が通れるほどドアが開かれたところで、

そのメイドは静かに口を開いた。




「・・・あのぅ、

どちら様でしょう?


ここに何か御用でも・・・?」
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