一線  死神は舞う
「働いて、

まだ間もないのですか?」



「ええ、まあ。

まだわからないことのほうが多くて・・・」



「旦那様はどうして森へ?」



「・・・詳しくは教えられておりません。


ただ

旦那様は

毎日のように森へ向かわれているかと」




キョロキョロしている俺とは裏腹に、

ヴィラは淡々と会話を繰り返す。




「こちらへどうぞ」



突き当たりの

大きな扉が開かれる。



一歩踏み入れたヴィラの顔が

歪んだ。
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