一線  死神は舞う
俺の支度にかかる時間は、

せいぜい一分。



がばっと脱いで、

ばばっと着て、

ざっと髪を整えて。




かばんの中身は

いつも一緒だ。


カラに近いかばんを抱えて

部屋を飛び出す。




「早く早くっ」



和室から

正座した未美が顔をのぞかせる。


俺は歩きながらブレザーの襟を整えると

未美の横へ座る。


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