僕様王子に全てを奪われてⅡ
乙葉さんって…見た目と口調がミスマッチだなあ

日本人形みたいなのに、男っぽい口調で…行動も男っぽい

「椎名さん、何か飲みますか?」

有栖川が冷蔵庫を開けながら、質問してきた

「梅酒」

「は?」

有栖川がほうじ茶のボトルを手にしたまま、振り返った

「ないなら、聖一郎が買ってきてよ
ね、愛子も一緒に飲もうよ
美味しいよ」

乙葉さんがほほ笑んだ

有栖川が冷蔵庫を閉めると、ほうじ茶をコップに移した

「駄目ですよ
愛子さんは未成年なんですから」

「ふん…梅酒くらい…」

「椎名さんだって、未成年でしょ?」

有栖川が、乙葉さんにほうじ茶を出した

「飲みたい
飲んで、飲んで、飲みつかれて、眠るまでぇ」

「いつの歌をうたってるんです?
随分、古い歌ですけど?」

有栖川が私のとなりにある椅子に座った

「梅酒がいい」

「駄目です」

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