僕様王子に全てを奪われてⅡ
「も…もしもし?」

『どこにいる?』

携帯から男の人の低い声が聞こえてきた

「愛子っ!
しっかり聞こえてるじゃないかっ
この嘘つきぃ」

ぷぷぷっ、おもしろーい

私はけらけら笑いながら、立ちあがってぴょんぴょんと飛び跳ねた

これで元さんは聞こえたよね?

乙葉さんの気持ち、伝わったよね?

「無理だ
むりむりむり…絶対ムリだあ
もう帰るぅ…どっかに帰る…」

「あれ、家に帰るの?
それじゃあ、お迎えが必要だよね?」

「ちがーう!
家じゃないどこかに帰るんだぁ…」

乙葉さんはもそもそとまたベッドの中に隠れてしまった

か…可愛いんですけどぉ

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