僕様王子に全てを奪われてⅡ
「僕は操り人形じゃありませんから
もう自由に生きてもいいですよね?」

僕はふうっと息を吐き出すと、携帯が鳴った

液晶を見ると

『小山内勇人』と表示されている

あれ?

珍しい

何かあったのでしょうか?

僕は携帯を手に取ると、耳に当てた

「はい?」

『今、平気ですか?』

「ええ、まあ
車の中ですけど、停車中なので平気ですよ」

『そうですか
たぶん、愛子さんのほうから言わないと思うので、俺から報告をさせてください』

ああ…高波さんのことで何か動きがあったんですね

確かに

愛子さんの口から、僕には言ってくれないでしょうね

「わざわざ、ありがとうございます」

『いえ、彼女の体を借りているわけですから』

僕と1歳しか違わないのに、ずいぶんとしっかりしている人ですね

それに、情報収集力があって…権力もある

20歳で、そんなことができる人はなかなかいませんよ

僕より、相当苦労してきたのでしょうね

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