僕様王子に全てを奪われてⅡ
僕は、草履を投げるかのように脱ぐと、居間に向かって早歩きで入った

「はいぃ?」

ドアを開けた僕は、思わず間抜けが声が出てしまう

なんですか…この、まったりとした空気の流れはぁ

居間には小山内君と藤城君、そして愛子さんがまったりとティタイムをとっている

室内には甘い匂いが籠っていた

「あ…すみません
勝手にキッチンを借りて、クッキーを焼いてしまいました」

僕の横からひょこっと顔を出した女性がぺこりと頭をさげた

「あ…いえ…別にいいですけど」

…て、誰?

この女性は誰ですか?

僕の声に気がついたのか、愛子さんが振り返った

「あ…有栖川、お帰りぃ
早かったね
今日の食事会は?」

「今日は参加せずに帰ってきました」

…って、小山内君から早く帰ってくるようにってメールがあったんですよ!

愛子さんだって、知ってるんじゃないんですかっ

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