僕様王子に全てを奪われてⅡ
なんか、僕、振り回されてます?

こんなに急いで帰ってくる必要はなかったんですか?

もの凄く頑張って帰ってきたんですけど

これって無意味だったんですか?

「良かったな
予想以上に帰りが早いじゃないか」

小山内君が、愛子さんを見たままにやりと笑った

「べ…別に
私は平気だって言ったでしょ」

「くだらねえ強気を奮ったって意味がねえんだよ
辛いなら、辛いと言う
怖いなら、怖いと言う
しばらく震えが止まらなかったくせに、強がっても無駄なんだよ」

小山内君がふんっと鼻を鳴らした

震えが止まらなかった?

何があったんですか?

僕は、横に立っている女性に軽く会釈をすると、愛子さんの隣に腰を下ろした

ソファには、小山内君と藤城君が座っている

愛子さんは床に座って、紅茶を飲んでいた

僕は正座をして、小山内君の顔を見つめた
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