僕様王子に全てを奪われてⅡ
僕的には、藤城君と破談になって万々歳でしたけど、ね

だからって飯島さんが…そうだとは限らないですし

まあ、幸せそうに笑ってましたから…結果的には良かったのでしょうね

僕と愛子さんとの件が落ち着いたら、飯島さんも女性の格好ではなく…男性に戻してあげたいですよね

きっと飯島さんだって…男の姿が楽でしょうしね

「さて、と
愛子さん、夕食はどうしましょう?」

「ええ? 有栖川が作ってくれるんじゃないの?」

「え? 僕ですか?」

確かに愛子さんはキッチンには立ちませんけど…

さすがに今日は、お腹が減り過ぎて作る気分にはならないんですけどねえ

「外に行きませんか?」

「ええ? 有栖川の料理がいいなあ」

愛子さんが僕の腕をぎゅっと抱きしめた

「わかりました
僕もお腹が減っているので、簡単ですぐにできるものにしましょうか」

「うんっ」

愛子さんがにっこりと笑った

『有栖川の料理がいいなあ』

脳内で愛子さんの声をリピートする

嬉しいですね、そんな風に言ってくれるなんて

僕は幸せ者です

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