僕様王子に全てを奪われてⅡ
さっさと告白をしてしまえばいいのに…

「告白はしたんですか?」

椎名さんの顔が一気に真っ赤になった

腕をふるふると震わせて、泣きそうな顔をした

え?

今度は何ですかっ!

「ぼ、僕は今、変なことを言いましたか?」

「ふ、ふえ…有栖川は意地悪だぁ」

え?

は?

確か…前にも愛子さんに言われたような気がしますが…

別に

僕は意地悪でもなんでもないんですけど、ね

ただ好きな人の泣き顔や困った顔が見たいだけで

意地悪では決してありません

「あのぉ…で、告白は?」

「私は言った
でもあいつは『ふん』って笑って流したんだっ
一世一代の晴れ舞台だと思って、気合を入れて言ったのに
『小娘に言われても、なんのトキメキもねえ』とか言っちゃって、もう…むかつくっ」

苛々してるなら…好きなのをやめればいいのに

「この座布団で頭を叩き割ってやる」

「無理でしょう
柔らかすぎますし」

「わかってるわよ
叩きたいのよ」

「お好きにどうぞ」

僕は足を崩すと、携帯を出した

時間は夜7時半

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