僕様王子に全てを奪われてⅡ
「脱がなくてどうする?」

なんで、そんなサラリと言えるんですかね

脱ぐってことは…見られるってことでしょ!

少しは恥じらいとかないんですかあ?

こっちがどぎまぎしちゃうじゃないですか

こんなことになってるって愛子さんに知られたら…どんなに不機嫌になられるか

そう考えるだけで、僕は胃が痛くなりますよ

「乙葉こそ、脱いでどうするんです?」

「そのお茶に口をつけたことにしなくてどうするんだ?
媚薬が入ってる身体で、目の前に餌があれば襲うだろ?
襲わせるのが今夜の目的なんだ
下着は何も身につけていない
だから、適当に脱いでそこらへんの畳に転がってる
あんたはまだ欲望が抑えらないっていう勢いで、そのまま家に帰ればいいだろ?
ここにいる人間たちは、朝まで私を解放する気はないんだ
あんたが帰れば、私も解放される」

はあ…そこまで考えているんですね

その案に乗りましょうか

僕も家に帰りたいですから

「わかりました
僕は背を向けてますから
適当に転がったら、言ってください」

「りょーかぁい」

椎名さんの明るい声が背中から聞こえた

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