僕様王子に全てを奪われてⅡ
「あらあ、聖一郎はどうしたの?」
障子をあけて、聖子さんが入ってきた
乱れた着物を見て、嬉しそうな顔をしている
残念だったね
何もなかったよ
聖子さん、何でも思い通りに人が動くと思ったら大間違いだ
聖子さんの後ろから、黒いスーツに、グレイのワイシャツを着ている長身の男が入ってきた
元だ
無表情…鉄仮面…
その冷たい顔の裏で何を考えてるんだよ
「帰りました」
「え?」
「なんか急いで…帰っちゃいました」
「ふん…今度はあの子を抱きに行ったのね
今度は量を調節する必要があるかしら?
…それとももうその腹の中に、子が宿ったかしらねえ」
それはない
だってやってないんだから
妊娠なんてしてるはずがない
「乙葉さん、御苦労さまでした
奥に布団を用意してありますから
今夜はゆっくりして、明日帰るといいわ」
「ありがとうございます」
聖子だけが部屋を出ていった
わたしは放り投げた上掛けをずりずりと引き寄せると、肩にかけた
障子をあけて、聖子さんが入ってきた
乱れた着物を見て、嬉しそうな顔をしている
残念だったね
何もなかったよ
聖子さん、何でも思い通りに人が動くと思ったら大間違いだ
聖子さんの後ろから、黒いスーツに、グレイのワイシャツを着ている長身の男が入ってきた
元だ
無表情…鉄仮面…
その冷たい顔の裏で何を考えてるんだよ
「帰りました」
「え?」
「なんか急いで…帰っちゃいました」
「ふん…今度はあの子を抱きに行ったのね
今度は量を調節する必要があるかしら?
…それとももうその腹の中に、子が宿ったかしらねえ」
それはない
だってやってないんだから
妊娠なんてしてるはずがない
「乙葉さん、御苦労さまでした
奥に布団を用意してありますから
今夜はゆっくりして、明日帰るといいわ」
「ありがとうございます」
聖子だけが部屋を出ていった
わたしは放り投げた上掛けをずりずりと引き寄せると、肩にかけた