僕様王子に全てを奪われてⅡ
わたしはつい感情が高ぶって、元の胸倉をつかんで聞いていた

「…苦しいんだけど」

「あ、ごめん」

わたしは手を離すと、自由になった手をぐるぐると回してみる

「もう無駄そうだから、言わねえ」

「はあ?」

わたしは目を大きく開けて、元の顔を見た

「だって抱かれたんだろ?
2ヵ月後に病院に行って、妊娠の有無を調べるんだろ?」

元が冷たく言う

なんか…むかつく

結局、何もしてくれないんじゃん

わたしをからかっただけ?

そうか…わたしをからかっただけ、か

「…なら、いい」

「乙葉?」

「どうせ、何もしてくれないんだろ?
嫉妬だってしてないんだ
…ていうか、最初からわたしを好きじゃないんだ」

「…んだよ、それ
俺がどんな思いでいたか、全く理解してねえ奴に言われたくねえんだよ」

え?

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