僕様王子に全てを奪われてⅡ
母上の考えは…一生変わることないのかな?

僕が変わらないといけない?

全て、僕の望み通りにいかなくてもいい

華道の世界から、抜けだせなくてもいい

ただ…ひとつ許してくれればいいんですよ

僕と愛子さんの恋愛さえ…許してくだされば…それだけで僕は有栖川家の当主として人生を全うする

母は、それさえ許してくださらない

滝沢家である愛子を怨んでいる

愛子さんは何もしてないのに

愛子さんのせいじゃないのに

どうして、愛子さんを嫌う?

母上はどうしてそんなに滝沢家を怨むのです?

父上の心を盗られたから?

母上は、努力をしましたか?

父上が、他の女性の元へといかないように…と何か頑張りましたか?

女になろうとしました?

一方的な憎しみは醜いです

「…なんてね
僕が言えた義理じゃないですけど
愛子さんの全てを奪ったのは母ではなく、僕ですから」

僕は自嘲した笑みを浮かべた
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