僕様王子に全てを奪われてⅡ
可愛いですねえ、愛子さん

顔を真っ赤にして、僕の仕事を心配してくれて嬉しいですよ

僕は立ち上がると、椅子に座った

隣に座る愛子さんを見ると、僕はほほ笑んだ

「愛子さんは、どうしたいんですか?
行きたいなら、どうぞ、行って来ていいですよ」

「え? いいの?」

「ええ、僕は仕事で無理ですから」

「いいの?」

何度も確認しなくても…

僕は良いって言ってるのに

確認されると、行かせたくなくなるでしょう?

「藤城君のお母さんが気にしているのでしょう?」

「うん…って竜ちゃんが言ってた」

「なら…旅行前に一度、藤城家に行きましょうか」

「え?」

僕も挨拶に行かないと…とは思ってたんですよね

愛子さんのご両親が亡くなって、ずっと愛子さんを娘のように接してくれていたと

聞いてましたから

愛子さんの祖母が亡くなって、一人きりになったときも

愛子さんの生活の支援をするつもりでいたとも聞いてますから

相当、愛子さんを愛していたのだと感じてます

…藤城君は例外でしょうけどね、ふんっ

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