君から僕が消えるまで
「あの、ちょっと良いかなぁ?」
このまま無視してる訳にもいかず、健一はゆっくり振り向く。
「あぁーー!? 君朝の人でしょっ?」
高く大きな叫び声にクラス中の視線が集まる。
ー終わった…。
「はぁ…。」
面倒くさそうに返事をしたのに、彼女はひるむどころか
どんどん話しかけてくる。
「何?二人知り合いなの~?」
「知り合いって言えば知り合いだよ…ねぇ?」
ーねぇ?と言われましても…。
すると、彼女は俺の席の隣に腰かけた。
「私鈴木未来、未来で良いよぉ!…そっちは?」
「健一…中村…」
「ケンイチ・ナカムラ…外国人?」
「はっ!?…中村健一!!列記とした日本人ですから!!」
ーしまった。
俺は彼女の作戦に素敵にはまってしまったんだ。
彼女はお腹を抱えて笑っていた。
「うん。アハハ…じゃあ、健チャンだね♪」
ー健チャンって…止めてくれ…まじで…。