君から僕が消えるまで

放課後。


流れで学級委員になった僕等は教室で日誌を書いていた。



「ねぇ、今日の三時間目の授業なんだっけ?」



「ん…世界史だった気がする。」


「あっ、そっか」



彼女が文字を書くと、ペンの上に付いている猫が左右に揺れた。



「建チャン授業中寝てたのに良く覚えてるね」



彼女は少し嫌みっぽく呟くと小さく笑った。



「まだ入学してから二週間だよ?」



彼女の言葉に自然と不思議を感じる。


変な感じだ…。


もう、ここにずっといるような感覚。



「まぁ…ぶっちゃけあんま中学と変わんないし…。特に制服とか?」



俺は自分の着ている真っ黒な学ランを指さす。



「あっ!!建チャンも変わらない人?」


「もっ…って?」


「未来もなの~今は赤いスカーフのセーラーじゃん?でも中学の時は白いスカーフってだけでほぼ同じなをだぁ~」



彼女はつまらなそうにこぼす。



「未来は高校になったらブレザーを格好良く着たかったんだけど…」


そう言ってチラチラと健一を見てくる。

これは…何かを言ってほしい合図か!?



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