君から僕が消えるまで
「ちなみに…健チャン今何時?」


「へ…?8時52分だけど…」


「えっ!?まじぃ~もう時間ないじゃんっ!!」


「急がないと…鈴木後ろ乗って」


「また鈴木って呼んだでしょ?」


「またそこかよ…」

彼女のこだわりに少し呆れていると、彼女はおそるおそる自転車に乗った。


ほのかだが背中に彼女の温もりを感じる。



「よしっ、飛ばすからつかまってろよ!!」


「えっ!?ちょっとまっ…」



彼女が言葉を言い終わる前に自転車をこぎだした。



背中に腕をまわしてしがみついている彼女の体温が伝わって来て少しだけ緊張してた…なんて、一生秘密である。



そして海沿いの風を切りながら、俺は彼女を乗せて自転車をこいだ



「学級委員が二人して二人乗りなんて…誰かに見つかったりしたら…」



彼女は何やらぶつくさ文句を言っている


「へ~鈴木って以外と優等生なんだな」


「以外って何よ!?…てか、また鈴木って呼んだでしょ!!」



そう怒る彼女を無視すると待ち合わせ場所が見えて来た。


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