君から僕が消えるまで
「はぃはぁ~い!結衣は今フリーだよ♪てか…募集中かなぁ?」



結衣は手を掲げながら悪戯気に笑っている。



「まぢ!?結衣チャンそ~なの!?」



岡田は少しの希望を感じたのか、興奮している。





「で、鈴木サンは?」




俯いていた彼女に話しかけて来た斉藤はまた涼しい笑顔で微笑んでいる




「えー…未来はぁーいないょぉ…」




ー…?





「まぢっ!?未来チャンもフリーなのぉ!!あり得ねぇー!!」




彼女は「そぉ?」と静かに微笑んでいる。



「じゃぁ~、男子は~?」



結衣が岡田をのぞき込む、




「はい!!はいっ!!…俺今彼女募集中で~すっ♪」




とにかく声がでかい。



乗っていた少ない乗客の2、3名がこちらを向く。




ー恥ずかしい奴…。



「じゃぁ~斉藤君はぁ~?」




「俺は今彼女いるからなぁ…」




斉藤はまだ薄い笑みを浮かべている。




「え~!?そうなの~ショックかもぉ~」


叫ぶ結衣の前を岡田が「俺フリー」と連呼している。

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