君から僕が消えるまで



中は昔からどこで見ても何も変わらないままだ。




「見て~ほら、健ちゃん!!あれ、猿の親子だよ~!!」



未来は強引に俺の手を引っ張って、しきりに笑っていた。



何だか今日の未来はいつも以上に楽しそうで俺も嬉しくなってくる…



なぜだかは分からないけど…




「ねぇねぇ!!結衣ちゃん、猛獣園見たくない?一緒行こうよっ!!」



岡田が必死に結衣を誘っている。




「ん~良いよ。その代わりぃ~斎藤君も一緒に行こう♪」




「げぇっ!?」



岡田はあからさまに嫌そうな顔をしたが結衣に「駄目?」と聞かれると、その顔はすぐ赤く染まった。





「じゃ~四時に、またここでねぇ~♪」



そう言うと三人は二人から去って行った。



随分離れてるのに、ここまで声が聞こえる。



「うるせぇ~…」



「だねっ」




そう言って顔を見合わせて笑った。




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