君から僕が消えるまで
「まだ時間あるな…俺飲み物買ってくるから待ってて!!」
「うん!!」
彼女は入り口手前のベンチに座っていた。
健は何だか走ってしまう、速く帰ってなるべく未来と話したいと思う。
何でだかは、自分ではわからないけど
初めて人と居るのが楽しいと思えた。
未来と居ると楽しい、安心する…初めてだった。
健一は販売機でフルーツジュースを二本買うと急いで持ち帰った。
未来は座っていた。
けれど、どこか寂しげに一点を見つめていた。
それは動物園の入り口の看板だった。
錆び付いた色褪せた動物や絵に描いた幸せな家族絵図。
なぜだかわからなかった、けど近寄れない雰囲気だった…
痛々しい程悲しそうな顔をしていたから…