君から僕が消えるまで


すると未来はその消しゴムをやんわりと取り返した。



「ダサくて悪うございました~」



彼女は子どものように口先を尖らせていた。



「アヒルみたいだぞ?」



とふざけて言ってみると彼女はアヒルなんて花の女子高生に失礼なっ!!と怒った。




「未―来っ♪お昼だょ~」



結衣がまるで子犬のように小走りで走って来た。


「あ~…ごめん、今日…ちょっと…学級委員の用事があって…お昼は…」



珍しく言葉に詰まる彼女に結衣は疑問を抱いていないようだ。



「えぇ~じゃあ残念っ!!頑張ってねぇ~」



すると、結衣の後ろで嬉しそうな笑みを浮かべた岡田が愛想よく手を振っていた。



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