君から僕が消えるまで


教室を早足で一人出た彼女の後を、健一は急いで追った。



「おい、ちょっと待てよ」


いくら呼び止めても彼女は止まるどころか振り返ろうともしない。




すると、彼女はあまり使われていない【理解実験室3】の扉をいじっている。




「おい…何やって…」


すると扉は「カチッ」と音を立てて開いた。



「やった!!早く入って」


彼女は健一を教室に押し込むように入れた。



「何で理科実験室なんて…しかもここ随分使われてないから…ほこりっぽいし」


すると彼女はガラリと扉を開けた。



「平気よ。汚れてたら掃除すればいいんだもの」



「…え?」



「ここ、これから未来と健チャンだけの秘密の場所ね」




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