君から僕が消えるまで


「でも教師とかスゲーじゃん!!あっ…だから血繋がってる鈴木も頭いいんだな~母さんに似てるのか…羨ましい遺伝だ…」



彼女は一瞬黙っていた。


―やべっ…また鈴木って言った事怒られるかな…?



一瞬の静寂が理科室に流れる。


聞こえるのは、外からの生徒の笑い声と微かな波の音…。



「違うよ~似てないし♪しかも未来は自分で努力してるから頭いいんだからねっ!!」


「あ!!お前今、自分で頭いいとか言っただろ~」



「だって健チャンよりは頭いいはずだも~ん♪」



未来は笑っていた。



だけど、その笑顔はまた少し寂しそうなで儚けだった。



―彼女の考えている事がこの時俺には一切わからなくて、ずっと疑問に思っていた。





< 51 / 81 >

この作品をシェア

pagetop