君から僕が消えるまで
辺りは更に人だらけで、全てが体育館に向かっていた。
そんな人だかりを俺はやる気なくボーっと見つめていた。
その時、
ドンッ
「ぐわぁっ!?」
背中に鈍い衝撃が走る。
「きゃぁっ!!…ちょっと君大丈夫っ!?」
不意打ちとは言え、その少女のタックルに俺は地面をなめるような形で突っ伏していた。
「ほら、手ぇかしなさいよっ」
そう言われて俺は無意識に手を差し出す
有ろう事か、彼女はそんな俺を片手で引っ張り起こした。
いちよう自分は172センチである。
彼女はどう見ても160センチ以下であろう。
「じゃ、私急いでるから!!」
そう言うと彼女は人混みをかき分けて、
体育館に向かって消えた。
「何なんだよ…あれ。」
顔は良く見えなかったが変な奴だった。
(ていうか…謝れよ)
なんて事を思いながら、俺は体育館に入った。
それが、彼女との出会いだった。