君から僕が消えるまで
真面目に言ってる事が伝わったのか、お調子者の2人も何も言わなかった。
すると窓の外を見ていた結衣が声を上げた。
「あっ!!あれ…斎藤君じゃない?」
健一と岡田も揃って窓に近ずく。
確かにそれは斎藤の後ろ姿だった。
校庭に彼女と思われる女子が斎藤に寄り添うように歩いている。
「彼女…この高校だったんだな」
「あれって隣のクラスの恵美チャンじゃね―の?」
「岡田知ってるのかよ?」
「お前知らね―の!?四組の藤原恵美ったら…未来チャンと斎藤と並ぶ位頭良くて…癒やし系で女の子らしく…可愛いって有名だぜ?」
「お前…詳しいな…」
「まぁな、入学のさいに可愛い子情報は全て手に入れた…でも、俺はやっぱ一番は…結―」
「何かぁ…結衣と超真逆のタイプの子じゃん…」
結衣は軽く茶色に染まった髪をいじりながら、幸せそうな2人を目を細めて見つめていた。