君から僕が消えるまで
すると結衣のケータイの派手な着メロが鳴り響く。
「あ…結衣帰んなきゃ…2人共、また明日ぁ~♪」
すると結衣はバタバタと教室を出て行く。
「あ!!結衣チャ……って行っちまった…」
すると岡田は溜め息混じりに健一の前の席に勢い良く座る。
「ハ~上手くいかね―なぁ…」
岡田はジロリと健一を訝しげに見つめる。
「あのさぁ…」
「な…何だよ…」
今まで見た事ない異様な雰囲気の岡田に健一は言葉を詰まらせる。
「お前…鈍そうだから言うけどさぁ…俺、実は結衣チャンが好きなんだよな…」
「はぁ…」
―何となく気ずいてました、とも言えず健一はただ聞くことにした。
「ただ顔が可愛いとか…まぁ可愛いけど!!そんなんじゃなくて…何か俺が守りたいって言うか、ずっと隣に居て欲しいって感じで…最近真面目にそう思ってる…」
そう呟いた岡田の横顔は、何だかいつもより格好良く見えた。