君から僕が消えるまで
「うん…っ」
彼女は斎藤達にも気ずかず仕切りに何かを探していた。
「鈴木、一位だったみたいだよ。おめでとう」
「あっ…斎藤君おはよう!!…ありがと」
彼女はどこかほっとしたように息を抜いた。
何だか、一位なのを喜ぶより一位で安心したような感じだ。
まぁ主席なんてこんな物なのかな、と思っていた。
「おめでとうございます、えっと―…鈴木さん?」
斎藤の背後から恵美が顔を出した。
「は…え?あ、ありがと!!」
「私は藤原恵美です…よろしくね」
すると彼女はポンと手を打った。
「あ!!じゃあ三位の子か…頭いいんだ!未来でいいよ~」
「えぇ、じゃあ…私も恵美でいいです。」
―その目は冷たい輝きを宿していた。