君から僕が消えるまで
【夏休み】
「きゃ~♪海見えたよ―!!」
結衣が列車から身を乗り出して、窓の外を眺めた。
「結衣チャン…危ないっ!?」
岡田があたふたしながら結衣を諭していた。
そんな二人を向かいに、健一も窓を見ていた。
すると、隣の席に座っていた未来が健一に話しかける。
「健チャン…もしかして海で泳ぐのとか初めて?」
「あ…うん。」
「そ~なの?東京の人ってみんなそうなのぉ!?」
結衣は窓から目を離し、健一を見つめた。
「いや…違う、違うと思う…俺が少し特有なだけ…?」
「ふ~ん…海嫌いなの?結衣は好きだなぁ~♪」
健一はハシャぐ結衣を小さく笑った。
その様子を見て、未来が微かに目を細めた。