君から僕が消えるまで

クラスは8組中の3組だった。


教室内は全て少数のグループで固まっているらしい。


でも健一に知り合いはいなかった。


つい先日東京から宮城に親父の転勤で越して来たばかりなのだ


そのため知り合いはおろか、帰り道だって危うい。


それでも利点が1つあった。

それは、無駄な人付き合いがいらない事。


重度の人見知り…と言う理由もあったが
元々苦労してまで他人とのつまらない会話に話しを合わせて笑う事にも疲れていた。


なら、この転校を良い事にこのまま静かな学園ライフなんかもってこいの良い機会である。


健一は何くわぬ顔でクラスの一番端で一番後ろの席に座った。


ーここなら目立たないだろう…。


ぼーっと窓の外に目をやると遠くに青い海が広がっていて、
その美しさに健一は目を細めた。



しかし、その時である聞き覚えのある声が教室中に響いた。

ー嫌な予感…
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