Reverse side World
惨劇
第一章 裏と表
#01 惨劇
「何があってこんなことになってやがる……」
この男、高山亮平は目の前の凄惨な光景に呆れていた。自分の部屋の壁や床に血痕が点々とこびりついていたのだ。
「……何とも思わない俺もおかしいな」
自分に対して少し苦笑する。亮平にとってはこんなことは日常茶飯事であって、もう慣れたというような感じだ。
「これ、おちるかよ……」
「これ、おとせますか?」
「あぁ、強力な洗剤でも使えばおちないことはないだろう」
「なら、よかったです」
亮平は慣れた光景の中に慣れないイレギュラー分子の存在に気付く、と同時に少し叫びかける。
「お前、誰だよ」
「僕の住む部屋なんです、きれいにしておいてもらわないと!」
隣にいる少女(?)は自分ひとりで納得して「うん、うん」とか言っている。亮平の言葉は完全無視してくださった。
ちょっとムカついたので亮平はその少女の頭をつかみ自分の方向を向かせる。
「おい、お前は誰だ?」
「僕はイヴです」
「イヴ? イヴってアダムと同じ最初の人間か?」
「表記はそれですけど、僕はただの人間ですよ。宇宙人でもありません!」
なぜ宇宙人じゃないというところに力をいれたのかは分からないが、とりあえず名前は分かったし人間であることも分かった。
「お前は男か? それとも女か? イヴということはやっぱり女か?」
「見て分からないのですか!? 貴方はおかしい人です! こんな豊満なボディをしていたら即刻、女と分かるでしょう!」
「いや、そのぺったんな胸を張られてもなぁ……」
「失礼な人です! ムキー!」
なんか怒りだしたイヴは放っておくことにして亮平は片付けを始めようとして、思い出したように聞く。
「お前、ここを自分の部屋だとか言ってなかったか?」
「はい、ここは僕の部屋です!」
#01 惨劇
「何があってこんなことになってやがる……」
この男、高山亮平は目の前の凄惨な光景に呆れていた。自分の部屋の壁や床に血痕が点々とこびりついていたのだ。
「……何とも思わない俺もおかしいな」
自分に対して少し苦笑する。亮平にとってはこんなことは日常茶飯事であって、もう慣れたというような感じだ。
「これ、おちるかよ……」
「これ、おとせますか?」
「あぁ、強力な洗剤でも使えばおちないことはないだろう」
「なら、よかったです」
亮平は慣れた光景の中に慣れないイレギュラー分子の存在に気付く、と同時に少し叫びかける。
「お前、誰だよ」
「僕の住む部屋なんです、きれいにしておいてもらわないと!」
隣にいる少女(?)は自分ひとりで納得して「うん、うん」とか言っている。亮平の言葉は完全無視してくださった。
ちょっとムカついたので亮平はその少女の頭をつかみ自分の方向を向かせる。
「おい、お前は誰だ?」
「僕はイヴです」
「イヴ? イヴってアダムと同じ最初の人間か?」
「表記はそれですけど、僕はただの人間ですよ。宇宙人でもありません!」
なぜ宇宙人じゃないというところに力をいれたのかは分からないが、とりあえず名前は分かったし人間であることも分かった。
「お前は男か? それとも女か? イヴということはやっぱり女か?」
「見て分からないのですか!? 貴方はおかしい人です! こんな豊満なボディをしていたら即刻、女と分かるでしょう!」
「いや、そのぺったんな胸を張られてもなぁ……」
「失礼な人です! ムキー!」
なんか怒りだしたイヴは放っておくことにして亮平は片付けを始めようとして、思い出したように聞く。
「お前、ここを自分の部屋だとか言ってなかったか?」
「はい、ここは僕の部屋です!」