Reverse side World
イヴは自分の貧しい胸に手を置き笑顔で、
「僕に任せてください! こう見えても実は『光の巫女』なんですよ!」
と堂々と言い張った。
正直、このときの亮平はその言葉を信じることが出来なかった。

「すまん、また今度頼む」
「信じていないんですね、これだから近頃の――」
「少し黙ってくれ」

イヴの口を押さえつつ亮平は背中に寒気が走るのを感じていた。
またか――そう亮平は思いイヴの耳元でそっと呟く。

「押し入れに入っておいてくれないか? 用を思い出したから」

了承もなしにイヴを押し入れに閉じ込める。イヴは泣きそうな目でこっちを見ていたが、渋々納得した様で抵抗をやめてくれた。

「……そこにいるんだろ? 入ってこいよ」

ドアに向かってそう呟く。もちろん、イヴには聞こえないように、だ。

「あんた自身が重い腰を上げてこちらに来るとはね」
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