トランプ王国物語



小6の時、さっちゃんと二人で家で遊んだ時は隣の部屋から何やらもめているような声が聞こえてきた。


「なんであんな女なんかと……別れてよ!」


「待ってくれ!誤解なんだよ!あっちから一方的に……」


「じゃあこれは何?」


「そ、それはっ―――」


心底びっくりした。


いきなり大声で聞こえてきたのだから。


私はさっちゃんと顔を見合わせながらも壁に耳をあてて話し声を気いたりしていた。


今思えば当時の私たちは無知で大人の事情なんて全然知らなかった。


しかしあの女の人の大きな声で大人の世界をよく知れた気がする……


そんなことがしょっちゅうで、私たちはそんなことで楽しみながら二人でよく遊んでいた。
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