トランプ王国物語
しかも今、私の目の前にいるこの小さい少年……
一体何者??
黒い羽のアクセサリーを背中につけていて、まるで……
「コスプレ?」
はっ
つい言葉に出してしまった。
私は慌てた自分の口を両手でふさいだ。そして恐る恐る目の前にいる少年に視線を移す。
「今なんて言った?」
少年はものすごい怒りの目で、私を見上げていた。
そんな少年に私は軽く笑いながら「何でもない!」と先程の言葉を撤回した。
すると少年はいじけたように、ぶつぶつ言いながら下をうつむいている。
うわぁ暗い子……
とっさに私はそう思ってしまったが自分もあまり彼に言えないぐらい暗い気がしたため反省した。
それにしても随分、可愛らしい子だなぁ…