トランプ王国物語
洋ちゃんとは中学で知り合った友達で、さっちゃんこと神崎紗羅とは小学校からの友達だ。
いつもにかっと笑ってて明るいさっちゃんだから、年も問わず、男女関係なく人気がある。
しかもスポーツ万能で成績優秀で完璧なのに気取らなくて優しい。
そんなさっちゃんに私は密かに尊敬と憧れを抱いていた。
それに比べて私は至って普通の成績で運動オンチで顔も並。
「はぁぁ」
私はそっとため息をついた。
そして自分の机に顔をふせる。
古くて少しゴツゴツした堅い机を肌で感じた。ほのかな木の香りが顔を覆う。
ふいに突然、さっちゃんが両手でぽんっと叩いた。
「そうだ!結菜の家に遊びに行こう」
「へっ!?」
私はガバッと起き上がって、さっちゃんを苦虫を噛んだような顔で見た。