隣の星の新くん




口を挟む間もなく、颯は自己完結する



いや、挟む気もなかったけど



「オシャレしてかないとっ!」



謎にはしゃぐ颯を最早止める術もない



学食で昼食をとると、携帯を取り出した



プルル



プルル



『…はい、アラタ?』



何でか不思議そうな真緒が出る



首を傾げてる様が目に浮かぶ



『どうしたの?珍しいね』



不思議の次は心配そうな声



メールは分からない



電話も滅多にかけない



そんな俺からの電話で何かあったのかと心配してるんだろ



「日曜日予定ある?」



『ないよ』



「なら12時に駅近くの"ASH"で待ってる」



『あそこって…』



「じゃ」



真緒が何か言いかけたのと被った



ま、次会ったときに聞けばいい



「真緒、来るって」



「うそっ!!?マジで!!生マオ〜ひゃっほいっ!」



気持ち悪い颯を無視して、食器を片付けた


その日中、颯の興奮がおさまることはなかった












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