隣の星の新くん
「おじゃましまーす!」
少し大きな声で挨拶しながら芯の部屋へ上がる
芯の部屋は男の子って感じの部屋で、サッカー選手のポスターとか、漫画とかが沢山ある
部屋の真ん中にある青色の袋を手にとり、芯はニヤリと笑いながら振り返る
「まさか…」
「何でしょー?」
「じんちゃん…?」
芯はさらに自慢げな顔しながら、中からDVDを取り出しチラ見せする
あたしはきゃーっと声を上げると芯に飛びついた
「芯、大好きっ!」
芯は笑いながら、あたしを宥めるように背を撫でた
「はははっ!真緒ずっと言ってたもんな」
そうだよー!
国民的人気者、クレヨンじんちゃんだよ
新しい映画が上映されたんだけど、タイミングを逃して見れなくて、がっかりしてた
「あたし、お茶用意してくる!」
うきうきしながら階段を降りてリビングのドアの前に立ち止まる
ちょっと深呼吸してからドアを開いた
「こんにちはお邪魔してます、おばさん」
笑顔で頭を少し下げた
それからキッチンへ向かう
おばさんは夕飯の準備をしていて、ちらりと目が合った
「お茶いただきますね」
コップを取り出し、冷蔵庫からお茶を出しコップに注ぐ
「これ、持って行ってちょうだい」
おばさんが、お饅頭をお皿に載せてくれた
「はい、ありがとうございます」
リビングを出ると、肩の力を抜いた
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