隣の星の新くん
ぽん
頭の上に手を置くと、アラタはあたしに合わせるように少し腰を屈める
「どした?」
びっくりした
誰にも気づかれなかったのに
一番近くにいる芯も
自分でさえも
「ん?」
アラタの優しい目があたしを映す
瞳に映るあたしは、なんだか泣きそうな顔してた
アラタの背中に手を回しながら抱きついた
ふわりと香る、アラタの匂いがあたしを安心させる
しばらくお互い何も言わないまま、ただこうしてた
「うん、回復した!」
アラタから体を外すと、あたしは晴れた顔で笑った
固まってたアラタも
「そっか」
そう言って笑った
「今日は帰ってくるの?」
「ううん」
「今日、お好み焼きだよ?」
「…うん」
あっ、今ちょっと迷った
笑いを堪えながら、あたしは玄関前の石段に腰掛ける
アラタは壁にもたれかかった
ここまで来るなら入ればいいのに
いつも言ってるけど、ぼうっとしてるようで頑固なアラタはきっと来ないと言ったら来ないんだ
こっそり横を見ると、アラタは上向き加減で、空を眺めてる
きっと、秋だなぁなんて考えてるに違いない
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