隣の星の新くん



「ただいま〜」



「おかえり〜」



中からお母さんの声が返ってきた



「新は?」



リビングのドアからひょっこり顔を覗かせて、 お母さんが聞いてきた



これは日課



「帰ったよ」



「ぶ〜っ!新の顔見たかったのに」



頬をぷっくり膨らませて、お母さんはリビングに戻っていった



お母さんはアラタが大好き



それは最初から、今まで変わらない



最初にアラタを連れてきたあの日から、お母さんはアラタをぎゅっと抱きしめて、時々あたしが嫉妬するくらい可愛がった



一人っ子なあたし



女の子なあたし



お母さんにとっては息子ができたみたいでうれしかったんだと思う




アラタもこれだけの愛情表現なら、きっとこの大きな過剰な愛に気づいてると思うんだけど




そんなことを考えながら、晩御飯を食べた













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