隣の星の新くん
いつもの土曜日、芯は部活を終えるとあたしを迎えに来る
夕方の空の色が変わる頃
いつもの時間より少し早めに玄関のチャイムが鳴り響いた
「真緒ーっ!芯くん来てるわよ」
お母さんの呼ぶ声に、急いで駆け下りるとサッカーのユニフォームのままの芯が玄関でにかっと笑顔を見せた
「いってきます」
声をかけると、いつものように芯の家に向かう
「今日早かったんだね」
「早く会いたかったんだよ」
臭いセリフも芯はさらっと言ってのけた
芯は良くも悪くもはっきり思いを口にする
好き、可愛い、楽しい、恥ずかしげもなく
焦ったり赤くなったりするあたしの反応を楽しんでる
赤くなった頬を隠すように俯くと、芯に両手で頬を挟まれぐいっと上げられた
「真緒、真っ赤」
「ほんと悪趣味だよね」
むくれたようにそっぽを向くと、芯は声わを上げて笑う
ほんと、楽しそうだよね
やっぱり悪趣味だ
「なんで?いいことだろ」
「変態っ」
「えぇっ?!酷くないかっ」
変態と言い続けてたら、いつの間にか芯の家に着いていて、あたし達はいつものように入っていった
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