隣の星の新くん
「ただいまーっ」
「こんばんはーっ」
玄関を開けると、おじさんとおばさんが揃って顔を覗かせた
「芯、もう少ししたら出るから家のことは頼んだよ」
「あぁ分かった。楽しんできて」
そんなやり取りを聞いていて、気になって芯を見上げていた
「真緒ちゃん、いらっしゃい。ゆっくりしていってね」
おじさんは柔らかく笑うとリビングに消えた
芯は部屋でくつろいだように座ると、隣をぽんぽんと叩いて、あたしを隣へと導く
「おじさんたち、出かけるの?」
「1泊旅行らしいよ。京都行くらしい」
「いいね、京都」
「次の連休は俺らも京都行くか!」
「いいね〜、京都」
芯は鞄から袋を取り出すと、あたしの目の前をちらつかせた
「これ、何?」
「なんだろなぁ」
芯の手元から袋を奪うと、中身を確かめる
これは…
「新刊出たのっ!?」
「そ。しかも3冊も」
「いい日だねぇ」
芯と2人楽しみにしてる漫画が3冊も発売されていて、あたしは早くも読みたくてうずうずしていた
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