隣の星の新くん
売れに売れてる少年マンガで
あたしが好きなのは忍者モノと死神モノと海賊モノ
この3冊が一緒に発売とか、なんて素敵な日なのっ!
うきうきしながら、こたつに足を入れて机に3冊並べる
「芯、どれから読む?」
「真緒はコレ先読みたいだろ?」
「ふふっバレバレ?」
「分かりやすすぎ」
芯は忍者マンガHARUTOを差し出すと、自分は違うものを手にしていた
それぞれ読み出す前に、あたしは立ち上がるとドアノブに手をかける
「飲み物もらってくるね」
「さんきゅ」
階段を降りると廊下におじさんとおばさんがお出かけの装いで玄関にそろっていた
「真緒ちゃん、行ってくるよ。すまないが芯の面倒みてやって」
おじさんは靴を履きながら、ゆったりと微笑んだ
「楽しんできてください。またお話聞かせてくださいね」
「ははっ、お土産奮発してくるよ」
白髪混じりの髪に手を入れながら、おじさんは玄関を出ようとしていた
「あなた、私忘れ物したから先に行っててください」
そうおばさんに告げられると、おじさんは家を出た
嫌な予感…
少し体が強張るのがわかる
「飲み物いただきますね」
逃げ込むようにリビングに足早に入ると冷蔵庫に向かう
「真緒さん」
優しい声色なのに冷たい声が聞こえた
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