隣の星の新くん




「はい」



上手く笑えてるかな



振り返ると、おばさんの視線は冷たい



あたしは2人きりの時のおばさんが苦手



こんなおばさんを知ってるのは、きっと世界にあたしだけだと思う



芯にも、おじさんにも見せない顔



「私たちが居ないからといって、好き勝手されたら困りますからね」



飲み物の話とかじゃない



何もしてないのに、するのが分かってるって言い方で



おばさんからしたら、あたしは悪い子らしい



男をたらし込む悪い子



「芯まであなたみたいになったら困りますもの」



そう言いながら微笑むおばさんは、心底あたしが憎いって顔してる



この表情、この空気があたしを固まらせる



芯、あたしおばさんに嫌われてるよ



いつからかな



そう、アラタと遊びに来たときからかな



ずっと



ずっと



大事な幼なじみの大好きなお母さんだから



大事な彼氏の大切なお母さんだから



怖いって



苦しいって言えない










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