隣の星の新くん




アラタは放浪癖の持ち主で、いつからか家に帰らなくなった



グレたって感じじゃなくて



ふらりと居なくなっては、ふらりと帰ってきて普通に居たりする



アラタが放浪してる間どこで何してるか知らないけど、おおよそは彼女の元にいるんだろう



確かに、学校帰りとかに何故か神出鬼没に現れて世間話はするから毎日会ってはいる



けど、家族なのに寂しいじゃない



いつも一緒にいたのに



お兄ちゃん、弟



両方に感じてるのに



「遊んで帰ってたら会えなかったよ」



まだ拗ねの残る膨れっ面で文句を言うと、アラタはふわりと笑って、



「それはない」



とはっきり言い切った



何で?



疑問が顔に出てたのか、アラタはベッドを指差す



「今日はまっすぐ帰る日だろ?」



疑問なのに、確信めいた言い方



ほんと、よく見てるよね



ため息を吐き出すと、あたしは飲みかけのグラスをアラタに差し出した



アラタは嬉しそうに受け取ると、一気に飲み干した



それから新しく入れるために立ち上がり、部屋を後にする














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