隣の星の新くん




昼休みにきょんちゃんに連れられて、食堂に行くと、たくさんの人でごった返していた



きょんちゃんはきょろきょろと忙しなく首を動かしながら、ぐいぐい奥へと歩いて行った



くるりと振り返ると、にぱっと笑う



「VIP席確保っ」



席を見ると、すぐに納得した



2つの空席の横には、生徒会長が友達とご飯を食べていて、生徒会長はきょんちゃんのアイドル



きょんちゃん曰わく王子様らしい



ボサボサ頭でいつもぼーっとしてるようにしか見えないのに



「真緒はわかってないよ!まぁ私だけの秘密だけどさ」



そう言って何も教えてくれなかった



「要先輩こんにちはーっ!」



そう可愛く元気な声で先輩に声をかける



生徒会長こと要先輩は、もうこんなやり取りに慣れっこだからきょんちゃんに気づくとぺこりと頭を下げた



要先輩の隣はきょんちゃん、それは指定



だから、あたしの隣は必然的に要先輩のお友達になる



名前こそ知らないものの、先輩の友達といえばこの先輩だから顔見知りだった



「こんにちは」



頭を下げて隣に座ると、いつもながら爽やかな挨拶が返ってくる



お昼を食べながら、きょんちゃんがいつもと違うことに気がついた



「きょんちゃん?」



「王子さまには会えたし、ここに来たのは真緒の話を聞くためだからねっ」



こんな所で!?



呆気に取られていると、きょんちゃんは真面目な顔でこちらを見る










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