隣の星の新くん
授業が終わると、さっさとあたしの手を引いてあるくきょんちゃんは、いつもと様子が違っていて、あたしの話す内容が気になってるのか、一言も喋らなかった
家に着く最後の曲がり角で、人の声が聞こえて思わず立ち止まる
とっても知ってる声だったから
「真緒?」
ここでやっと声を発したきょんちゃんは戸惑っていて、状況が理解できていない
角から顔を覗かせると、やっぱりアラタがいた
女の子と一緒に
その瞬間、胸がちくりと痛んだ
何に痛んだのかはわからない
アラタに彼女がいるのは本人から話を聞いてるから知ってる
今更それで傷つくのも変だ
実際初めて目の当たりにしたからなのかな
「真緒大丈夫?」
「うん。ごめんね…」
立ち止まったままでいると、角から家はとても近いからアラタの声は聞こえなくても、女の人の声ははっきり聞こえた
「あーちゃんまだなの?あたし退屈だよーっ!」
同い年ぐらいなんだろうか、可愛い声
こっそり顔だけ覗かせると、背の低いセミロングの可愛い女の子がアラタの隣に立っていた
アラタはいつも通りぼーっとしてる
隣で笑う彼女はとても楽しそうに見えて、やっぱり胸が締めつけられた
「きょんちゃんっ!今日はやっぱり…っ、ごめんね!」
気づくとあたしは駆け出していた
家とは真逆の方向に、きょんちゃんを残して
「ちょっと、真緒!?」
きょんちゃんごめんね
今このままアラタと彼女さんに会っちゃうと叫んじゃいそうなんだもん
何か壊してしまいそうで
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